コラム:本質を知って情報を取捨選択する
「利益の最大化」は正しいか?
本日(2015.12.21)の日本経済新聞に、「強い事業は知財戦略から」という見出しの記事が載っていました。「技術開発は、全社の利益を最大化することからスタートしなければならない」というのが理由です。
これは正しいのでしょうか?
「利益の創出能力の最大化」を図るべき
私には、とても正しいとは思えません。それはなぜか?
ドラッカーは、「経営は、『利益の創出能力』を最大化することからスタートしなければならない」という意味のことを言っています。
つまり、現在と将来、顧客と自社の4つの利益のバランスを図るために、ミッション ⇒ 戦略目標 ⇒ 経営方針 ⇒ 経営戦略 ⇒ 事業戦略からスタートしなければならないからです。
『利益を最大化』では、短期と自社に偏る傾向があります。なぜなら、いつの時点、誰の利益を明示していないからです。それでは、強くて良い会社にはなれません。
「常に」「絶対正しい」情報源はない
日本経済新聞は、私が社会人になってから購読し続けている新聞です。しかし、日本を代表する経済新聞といえども、鵜呑みにしてはいけません。何しろ、いまだに「イノベーション」(技術開発)という注釈をつけている新聞社ですから。
こうした本質がわかったうえで読むぶんには、ビジネスパーソンにとって、日本経済新聞は、最高の新聞であることはまちがいありません。