010 利益

利益とは何か

事業活動の目的ではなく結果である。顧客への貢献の結果として得られるものである。
また、利益は、きわめて重要な目標ではあるが、唯一の目標ではない。マーケティングの目標、イノベーションの目標、生産性の目標、人的資源の目標などとともに、「目標による経営」の一部をなすものである。

利益は将来の費用である

その利益の役割は、（1）事業の有効性を図る物差しであり、（2）設備投資など将来の利益の基盤をつくる財源であり、（3）資金導入の誘い水になるものであり、（4）将来のリスクに対する備え、となるものである。
つまり、好き勝手に使っていいものでもなく、単に貯め込んで喜ぶものでもない。将来にわたり、利益を創出し続けるために準備する資金のことである。

経常利益率10％をめざす

一方、自社の利益は、顧客からみればコストである。だから、利益は最大化をめざすのではなく、最適化を目指さなければならない。 しかし、最適化といっても、上記の（1）～（4）を満足させなければならないので、現在の利益率よりも、はるかに高い利益率が求められる。 たぶん、優秀な人材を確保するための賃金、設備投資や市場開拓・商品開発などに計画的に取り組んで、かつ、経常利益率で10％くらいなければ、健全な経営（高収益企業）とは言えないだろう。