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【ドラッカーこぼれ話】捨てる勇気

ドラッカーは、「GMの研究を基に『会社という概念』を書いたが、それを契機にビジネスがひとつの学問領域になった」と語っていた。

しかし、ベニントン・カレッジの学長は友人の立場から、「これでドラッカーは、学者としてのキャリアを踏み外した」と心配した。

それは、学者の世界で一流になるには、研究を積み重ねて論文を書き、終身的な教授の在任権を得るのが王道だったからだ。

格式の高い大学や研究機関ほど、「大衆向けの本」を書いたドラッカーを軽蔑した。

ドラッカーは、それを知りながら自分自身を貫いたことで、世界的な名声を手にした。

『会社という概念』や、それに続く本がすべてベストセラーになったことが、学者・研究者の世界で逆風になったのだから、なんとも皮肉な話である。

しかし、ドラッカーは、業界の常識に従おうなどとは、まったく考えなかった。

若い頃から、まわりの反応など一切気にせずに、自分の生き方を貫いた。