ドラッカーのコンサルティング術
『ドラッカー先生の教授』(ウィリアム・A・コーン著)によると、
ドラッカー自身は、顧客に問いを投げかけたり、コンサルティングの課題に向き合ったりする際に、業界についての知識や経験をよりどころにしたことはないそうです。
むしろ正反対の姿勢を貫きました。
知識や経験にはまったく頼らないで、何も知らない白紙の状態で臨んだのです。
それは、中途半端な業界知識よりも、「何も知らないことが最大の武器」だと考えていたからです。
ドラッカーは、「知識不足は、活かし方さえ心得ておけば、決して悪いことではない。過去の経験にもとづく知識を活かすのではなく、頭の中を真っ新(さ)な状態にして問題と向き合うことが、先入観も固定概念もない外部の人間が、もっとも貢献できる方法」と考えていました。
僕も、この方法を取り入れています。
だから、顧客が答えに窮する質問ができ、思考の幅を広げたり深めたりする指導ができているのだと思っています。